大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1177 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人高橋真三次の上告趣意(後記)について。

同第一点及び第二点について。

所論は、原判決の憲法違反を主張するけれども、帰するところ実質は法令違反の

主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。なお記録を調べて見ると、

原審における国選弁護人の選任及び同弁護人が被告人提出の控訴趣意に基いて弁論

をしたまでの経過は、所論摘記のとおりであるが、原審は被告人に対し弁護人選任

の機会を与えたのにかかわらず被告人がこれを選任しなかつたので、被告人のため

に国選弁護人を選任したことが認められるから、なんら被告人の権利の保護に欠け

るところはない。(参照、昭和二四年(れ)第二三八号同年一一月三〇日大法廷判

決、集三巻一一号一八五七頁、昭和二五年(あ)第一三九五号同二六年一一月二〇

日第三小法廷判決、集五巻一二号二四〇八頁)、また刑訴規則二三八条は必しも常

に所論のように解さなければならないものではない。且つ調書によれば原審におい

て国選弁護人は被告人の控訴趣意書と題する書面に基いて異議なく弁論をしたこと

が認められるから、(参照、昭和二五年(あ)第二四三一号同二六年五月一五日第

三小法廷判決、集五巻六号一一五二頁)所論はいずれの点においても理由がない。

同第三点について。

所論は、憲法二五条を挙げているが、実質は原判決の量刑不当を主張するのであ

つて、適法な上告理由にあたらない。

また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。

- 1 -

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年一一月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!